遅ればせながら 「ドラゴンクエスト123」を買ったのだ。
いや、123作目じゃなくて、1~3が収録された カップリングソフトです。
ファミコンの原作版と、スーパーファミコンのリメイク版が入っていて、けっこうなボリューム。
買うのが遅かったので 初回特典は逃したけど、まぁいいや。
ファミコン版当時の攻略本、「ファミコン神拳奥義大全書」の復刻版も同梱。
攻略情報的には 中途半端さはあるけれども、
それが後は自分で考えろという伏線のようなものであったということも、
当時は気づくこともなく、情報の少なさに 困惑したものです。
しかし、一部の記事は収録されていなくとも、
今こうして読んでみると、イラストのタッチ、ブラウン管から直接撮影された写真と、
懐かしさも こみ上げてきます。
なかでも スタッフインタビューなどの記事が充実していて、読み応えバツグンです。
ゲームより先に、まず資料集を観てしまいました。これにかなり時間を取られたほどです。
当時の紙パッケージを ポリゴンで再現しているところがイカス。
当時の限られた容量を いかにやりくりしていたかというのが 伝わってきます。
とくにフラグ管理なんかは、ほんの数個ぐらいにしか使えなかったでしょうからね。
たとえば ローラ姫の救出過程を、ローラ姫を抱きかかえているかどうか、
「おうじょのあい」を所持しているかどうかで判定していたってあたりが・・・
中でも個人的に気になった資料がこれ。
ファミコン版ドラクエ3の企画意図を記したものですが、
「もはや、
RPGはマニアのものだけではありません。
ゲームの方向性をちゃんと理解させてあげれば、小学生のような小さな
子供にも充分に楽しめるゲームです。また、その物語的なゲーム世界性は
一般の大人たちにも楽しめるものでしょう。」
ドラゴンクエストは元々、マニアックであったRPGというジャンルを、
世間に知らしめる役割も担っていたゲームであるということも感じさせられます。
戦闘の戦略性がどうとか、アイテムや呪文をコンプリートできるかとか、
はてはステータスの1ポイント差までに こだわってプレイするとか、
そんな重箱の隅をつつくようなプレイをするようなゲームでもなく、
いまや ドラクエの求めた それらの意思を無視して、
自分のドラクエ像を作っては好き勝手語っているマニアな人たちもいますが、
これを読むと 「ムシキング」に並ぶアーケードカードゲームでの展開で子供たちにも愛されていたことなど、
色々と形は変われど、その時代ごとに 当初の役割を担ってきたのだと思います。
ドラクエは名作の担い手ではなく、一般の人たちに楽しめるゲームになるという担い手なんですよね。
だからこそ、名作になれたわけです。
さらに その次の2つの資料には、
プレイヤーにゲーム中で様々な感動を味あわせるための、アイデアが書かれています。
今のゲームは、壮大なシナリオで力ずくで感動させたり、
心を内側からゆさぶるとか何とか理屈を乗っけているゲームもありますが、
これには本当に冒険していて いろいろなものを観て感じるような、
そういう発見する楽しみをゲームで再現しようというようなアイデアが書き込まれています。
そして肝心のゲームのほうですが、まず最初はドラクエ1をやりました。
兎にも角にも、当時のまんまです。そりゃそうか。
そうか。このゲームでは王子ではなく、キムこうを探すのか。
いや、ちがいますよね。
昔のゲームは このようなネタも普通に使ってましたよね。
メルキドの 「私のポートピアと、あなたのドラクエを交換しない?」とか何とか言ってた女性も
このソフトにも修正されずに いるのだろうか・・・
ちょっと進んだら、今はここで稼いでいます。
ここでも、魔法使いや大さそりなど、強いモンスターが出てくるので、
序盤は近づかないほうがいいですが、ラダトームから近いので、
ギリギリまで稼ぐこともできますからね。
しかし、今遊んでみても やっぱり面白い。
最初は なかなか遠出できないのですが、
調子に乗って遠出して 強いモンスターから瀕死の重傷を受けて帰るときの
1歩1歩進むハラハラ感が、今のゲームでは なかなか味わえないものです。
説明書には、懐かしさを味わうならファミコン版を、
はじめて遊ぶ人には快適なスーパーファミコン版をオススメと書いてありますが、
いずれはどの人も ファミコン版も触れてもらいたいところです。
そして資料も合わせて読んでもらえば、当時の少ない容量を
いかにアイデアで補っていたのかが よくわかるでしょう。
価格は定価4440円ですが、バーチャルコンソールの基本的な価格で計算してみても、
ゲームのみで3100円。それに加えて設定資料集、書籍なみの冊子も付属しているのだから
(元は書籍でしたが・・・)、妥当な価格ではないでしょうか。
Wiiだからデータが消える心配もないし、資料集やファミコン神拳もホント読み応えがあります。
コントローラも クラシックコントローラ、ゲームキューブコントローラ、
Wiiリモコン横持ちにも対応させてくれている所も うれしい。
ドラクエとしてではなく、RPGというものが、いかにして家庭用ゲーム機で
日の目を見ることになったのかに興味がある人にもオススメですね。
[0回]
PR